スイスワインについて

スイスワインについて

「やまきゅういちスイスワイン」輸入担当者が考える「スイスワイン」とは。
「自己を誇示することのない奥ゆかしさ、不器用なまでに自己を押し出すことをためらう引っ込み思案、慎ましやかさ、物事に向き合う時のまじめな態度、スイス時計に見るような緻密で精巧な仕事ぶり、これらのスイス人の特質は、そのままワインの味わいに反映されているようで、スイスワインの魅力として私には映っています。
若いころは、国で言えば、パリをはじめとするフランスやアメリカの西海岸など、きらびやかで、はっきりと自己主張された明解な事物に惹かれていたものですが、歳を重ねるにつれて、肌感覚で馴染めるものに好みが変わってきました。
出来上がったワインの清らかさ、透明感にはウソが無いようにも感じて、飲み疲れることがなく、年齢を重ねた身を安心して委ねることができるようです。華美さの無いワインの清々しさは、日本人の美意識にもとても近いものを感じます。
料理を決して凌駕することが無く、さりとて、弱々しいわけでもなく、きちんと育てられた存在感をもって料理に対峙できるスイスワインは、まさに、わきまえているワイン、飲み尽くした大人が行き着くワインと言えるのではないでしょうか。」

杉山商事株式会社ホームページにも記載がございます。http://www.sugiyama1904.co.jp/ja/solution/case4.html


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スイスワインについてのあらましをご説明します。(以下のデータ数値は、2016年版日本ソムリエ協会教本に準拠しました。)
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ブドウ栽培面積とワイン生産量
スイスにおける2014年度ブドウ栽培面積は、14,835ha(全世界比約0.2%)。そのうち西部フランス語圏のスイス・ロマンドが11,079ha(全スイス比、約75%)、ドイツ語圏のスイス・アルマンが2,636ha(全スイス比、約18%)、ティッチーノ州周辺のイタリア語圏が1,120ha(全スイス比、約8%)。
スイスにおける2014年度ワイン生産量は、933,649hl(全世界比約0.3%)。そのうち赤52%、白48%の生産比率。ちなみに、全世界比約0.3%の生産量のワインのうち、輸出にまわるスイスワインの比率は、約2%。もちろん、その2%すべてが日本に来るわけではありません。中国だったり、イギリス、アメリカなどへもわずかながらに輸出されています。日本で飲めるスイスワインの稀少性がご理解いただけようというものです。
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気候風土
ブドウが育つ畑は、北緯45~47度、標高が450~1,100m。国土の大半を占めるアルプスの山々に守られるように広がり、それらを縫って流れる河川と豊かな水源を湛えた湖が更なる太陽の恵みとなり、良質のブドウを育んでいる。気候は、北からの寒帯性気候、南から地中海性気候、西から大西洋の海洋性気候、東から大陸性気候と変化に富み、土壌は、ジュラ紀・白亜紀の地層が中心となっている。これらの条件により、スイスを代表するシャスラをはじめ他のブドウ品種は、産地ごとに豊かな個性が表現されている。(出典:2016年版日本ソムリエ協会教本)
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ブドウ品種
スイスにおける2014年度ブドウ栽培面積は、14,835ha(全世界比約0.2%)。そのうち西部フランス語圏のスイス・ロマンドが11,079ha(全スイス比、約75%)、ドイツ語圏のスイス・アルマンが2,636ha(全スイス比、約18%)、ティッチーノ州周辺のイタリア語圏が1,120ha(全スイス比、約8%)。
スイスにおける2014年度ワイン生産量は、933,649hl(全世界比約0.3%)。そのうち赤52%、白48%の生産比率。ちなみに、全世界比約0.3%の生産量のワインのうち、輸出にまわるスイスワインの比率は、約2%。もちろん、その2%すべてが日本に来るわけではありません。中国だったり、イギリス、アメリカなどへもわずかながらに輸出されています。日本で飲めるスイスワインの稀少性がご理解いただけようというものです。
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スイスワインの代表的な産地
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ワインジャーナリストによるスイスワインについての総評

日本橋の杉山商事で、彼らが輸入する一連の「やまきゅういちスイスワイン」をテイスティングする機会がありました。

 スイスにはいろいろな品種があり、細かいことを言っているときりがありませんが、なんといっても白のシャスラーと赤のピノ・ノワールは基本中の基本。このふたつの品種のワインはスイスでは対極的ともいえる表情を見せることが多いのがとても興味深い点です。
 つまりシャスラーはほっこりふっくら、ピノ・ノワールはすっきりくっきり、です。スイス=山=冷涼&緊張感と考えると、シャスラー、とりわけレマン湖北岸の西から東にかけて広がる高名な産地、ラ・コートとラヴォーのシャスラーの味はそのイメージとはずいぶんと異なり、むしろ温かくてやさしくておとなしくて滋味深いワインです。
 ですから家庭料理にはシャスラー。スイスワインに詳しくない方なら、まずはこの定式を覚えておくのがいいと思います。「家庭料理にもいろいろあるではないか、シャスラーはクリュによって大きく味が異なるではないか、醸造法によっても違う」、と言われればその通りです。それでもシャスラーは緊張感を強いない味...という点は共通しています。そして家庭料理のひとつの重要な本質とは、緊張感を強いない味だということです。
 これは抽象的な「質」の話ではありません。例えば洋服を考えてみましょう。社交ダンスにふさわしい服とビーチにふさわしい服は違います。いかによい「質」か、より、それぞれの状況にどちらがふさわしいか、のほうがはるかに重要です。困ったことに、ワインの場合、状況適合性より絶対的な質を重視する傾向にあります。ジャージの上下よりタキシードのほうが「質」がいいと考え、結果として、フォーマルパーティ的なワインばかりが増えて、実際の家庭料理とはノリが違うことになります。
 シャスラーにはジャージ的な疲れなさがあります。おとなしいアルコール、おとなしい酸、おとなしい香り、おとなしい構造。そのよさ、そのありがたみがわかる人は、きちんとワインと料理を家庭で楽しんでいる人だと思います。
 とはいえ、スイスのシャスラーはスーパーで売っているジャージではなく、譬えるなら、最高級素材を使ったオートクチュールのジャージです。超がつくほどお金持ちの国がスイスです。彼らの日常の一部たるシャスラーは、高級・高品質なカジュアルワインです。キャビアやフォワグラではなく、良質な豆腐と良質の味噌を使った普通の味噌汁です。このような位置づけにあるワインは、世界を見渡してもそうそうありません。

田中克幸

<出典>日本橋浜町ワインサロンのFacebook https://www.facebook.com/nh.winesalon/  スイスワインをよく咀嚼(そしゃく)吟味して解釈して書かれた記事より抜粋。(なお、サロン主催の田中氏のブログはこちら⇒ http://pecotan.air-nifty.com/katsuyuki/2017/07/post-c3bc.html  )

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【ヴァレー州のグラン・クリュ規定について】

スイス・ヴァレー州ブドウとワインに関する条例より

グラン・クリュに関する条文の大約

<グラン・クリュの定義と大綱>

1) 「グラン・クリュ」は、テロワールの典型と、ヴァレー州における固有かつ伝統的な品種の特性を明瞭に表している高品質のワインのことを意味している。

2) グラン・クリュ呼称は、この章において、まずは下記に簡略に挙げられた条項すべてを網羅する産地呼称AOCワインを意味している。その条項とは:

a) グラン・クリュ呼称を定めることを決めた行政区に属するひとつの限定された区画から得られた収穫に由来すること

b) その上で、少なくとも下の領域において補足的に定められたの要求に適うこと

 

1.

テロワールの特性に従った品種であること

 

2.

生産範囲の制限

 

3.

正式名称とワインラベル関する規定

 

4.

監督統制の設置

 

5.

融資の方法

<グラン・クリュ規定>

1) 行政区のまたは、地方のグラン・クリュに関する要求は、行政区の規定によって、または、任意組織によって打ち立てられ、そしてまた、行政区の同意に従った規定によって定義されたものであらねばならない。

2) いくつかの複数共同体は、それらの共同体に同一の気象条件が見られる条件において、共同体ひとつの規定を制定することができる。

3) この規定は、国務省によって許可されなければならない。

4) 共同体によって、または地方によって、ひとつのグラン・クリュ規定しか有することができない。

5 現行条例のなかで掲げられる制約以外にもより多くの制約が求められることもあり得る。

<グラン・クリュ付与措置>

1) AOC産地呼称ワインに関する措置は、この条の中で下に特別に掲げられる措置の保留下において、グラン・クリュの付与にも適応する。

<ブドウ品種>

1) グラン・クリュ呼称は、下の品種に留保される:

a 白品種:シャスラ(ファンダン)、シルヴァネール(ラン、もしくはグロ・ラン)、アミーニュ、アルヴィン(プティット・アルヴィン)、マルサンヌ・ブランシュ(エルミタージュ)、ルーサンヌ、サヴァニャン・ブラン(パイヤンまたはアイダ)、ユマーニュ・ブラン、ピノ・グリ、レーズ

b) 赤品種:ピノ・ノワール、ガメ、コルナラン・デュ・ヴァレー、ユマーニュ・ルージュ、シラー

<生産の範囲>

1) すべての品種は、偉大なワインを産出するに特別に適しているとされ、また、偉大なワインを産すると名声を博している畑区画の中で栽培されなければならない。

2) あらゆる行政区、または行政区の共同体は、ブドウ品種全般の畑区画と同様の手続きに従って、これらグラン・クリュの畑区画を制定する。

3) ふたつ別の共同体からの収穫ブドウは、ブレンドされてはならない。ただし、同じグラン・クリュ地方の中でのブレンドはその限りではない。

4) 同じグラン・クリュの中では、ばら売りは認可される。

自然下の最低残糖度数>

1) 白・赤ブドウ品種の最低度数は下に制定される。

品種

°Oe

%Brix

白ブドウ品種

シャスラ

77.6 *

18.8

ユマーニュ・ブラン, レーズ

85.6

20.6

アミーニュ、アルヴィン、マルサンヌ・ブランシュ、 ルーサンヌ、ピノ・グリ、サヴァニャン・ブラン、シルヴァネール

94.6 *

22.6

遅摘みワイン

130.0

30.2

赤ブドウ品種

ピノ・ノワール

91.9

22.0

コルナラン・デュ・ヴァレー、ガメ、ユマーニュ・ルージュ、シラー

88.3

21.2

2) 甘口の遅摘みブドウによるワインは、以下の品種による:アルヴィン、アミーニュ、シルヴァネール、ピノ・グリ、マルサンヌ・ブランシュ、ルーサンヌ、サヴァニャン・ブラン。

<生産量の制限

1) 畑面積に紐づけられる生産量の制限は、下記のとおりに制定される:

a) シャスラ                         1.1kg/m²

b) シルヴァネール                    1.0kg/m²

c) その他の白・赤品種                 0.8kg/m²

<栽培方法>

1) グラン・クリュ呼称に関する栽培についての要求は、下記のとおり:

a) 必要とされた環境保護に関する手当は、順守されなければならない。

b) ブドウの苗は、少なくとも植樹された年を含めて最低8年なければならない。

c) 認可された栽培の方法は以下の通り:ゴブレ、コルドン・ド・ロワイア(固定)、ギヨ、垂直支柱(壁)の平面での栽培。その他の栽培は禁止。

2) 遅摘ワインに関しては、ブドウ株に生って立ち枯れることが義務付けられる。

醸造>

1) すべてのグラン・クリュワインは、ヴァレー州領域で醸造され、瓶詰めされることが義務付けられなければならない。

2) すべてのグラン・クリュワインにおいて、ブレンドは除外される。下の3)、4)は留保される。

3) すべての遅摘みワインは、グラン・クリュ呼称のリストにあるワイン同士の構成である限りにおいてブレンドされることができる。

4) ドール・グラン・クリュを構成するすべての品種は、グラン・クリュのカテゴリーの赤ワインに関する要求に準ずることが義務付けられる。

5) ドール・ブランシュ、ウイユ・ド・ペルドリ、そしてヴァレー・ロゼは、グラン・クリュ呼称を受益することができない。

6) あらゆるブレンドワインは、複数ミレジメをまたいではならない。

7) すべての混合、すべての付加、すべての甘み付けは、禁止される。

8) あらゆる遅摘みワインに関しては、ブドウ果実と果汁のすべての濃縮化は、禁忌される。

名称とラベル表記>

1) グラン・クリュ呼称は、収穫に由来している共同体、または地方の名前に関連してしか用いることができない。

2) 「グラン・クリュ・ヴァレー」呼称は、禁止。

3) AOCワインに適用されるすべての規定の他に、「グラン・クリュ」の記載と、ブドウが由来する共同体名、地方名と共に、生産年がエチケットの上に表示されなければならない。

4) 「プルミエ・クリュ」「クリュ・クラッセ」「グラン・クリュ・クラッセ」「グラン・クリュ・ヴァレザン」「グラン・クリュ・デュ・ヴァレ」などの表現使用は禁忌。

5) その他の事項のために、専門部門がラベルの一律規定を定める。

<商業>

1) コルナラン・デュ・ヴァレー、ユマーニュ・ルージュ、シラーの品種から造られたワインは収穫年につづく2年目の41日以前に市場に売り出されることができない。

監視体制>

1) 専門部門は、監視とグラン・クリュ呼称に関する固有の要求事項の調整を担わされる。

2) グラン・クリュ呼称を有するひとつのワインを産するすべての畑区画に対して、専門部門は、ブドウに対する組織的な監視体制を設立する

3) すべてのグラン・クリュワインは、瓶詰め前に組織的な試飲の対象にならなければならない。瓶詰め後も、サンプル抜き打ち試飲の監視が実施される。

4) ワインが求められている品質に達していない場合、「グラン・クリュ」呼称の権利を受けることができない。

5) 専門部門は、ワインのトレーサビリティと、市場に出される際の画一的特有の表示を付けた生産品の鑑定とに関する監督を担う。


しゃすら店長日記

=店長からのメッセージ、日々の出来事をお届けします=
店長の名は、しゃすら。しゃすら店長と呼んでくださいね!!忘れもしない2010年9月、スイスのエーグルでたまたま飲んだシャスラに衝撃を受け、以来、惚れこんだスイスワインに特化して深堀り、日本に紹介しています。
店長日記はこちら >>

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