しゃすら店長日記
チューリッヒ
チューリッヒ駅始発の電車に乗って、出発の時間を待っていました。2階建て車両の2階に陣取って何気に外を眺めていると、隣のホームに電車が入って来ました。
私の眼下に止まった食堂車に座ったビジネスマン。働き盛りの歳ごろ、精悍な感じなのですが・・・電車が終着駅に着いたのに降りようともせずに、目の前に広げた新聞を前にして、文字通り頭を抱えて微動だにしません。こちらから見ていてもただならない雰囲気が伝わってきました。
このままでは、また、電車は元来た方向に発車してしまうでしょう。そんなことは、おかまいなしの様子です。絶望、なのかな・・・?ほんとうに困ったことが起きてしまったのでしょう。「どうしよう・・・!!」「ああ!どうしたらいいんだ!」困惑を極めた彼の心の叫びが聞こえてきそうです。
この人に、いったい何が起きてしまったのでしょう・・・。この新聞には、いったい何が書いてあったの?この人と、いったいどんな関係があるのかしら?
チューリッヒは、金融の街です。銀行の人かしら?投資会社?コンサル?巨額のお金が絡んでいるのでしょう、お金の怖さがこんなに離れているのに伝わってくるのです。