ソムリエさんにプティット・アルヴィンを紹介していただきました。

2022/02/19

東京の百貨店のワイン売り場にお勤めでもあるソムリエの藤巻暁氏に弊社のプティット・アルヴィンのご紹介をいただきました。許可をいただいて、下に転載させていただきます。(写真は、当サイトが独自に入れさせていただきました。)藤巻氏のプロフィールは、記事の最後にございます。

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藤巻 暁の粋なワイン <3


生産者:Jean Rene Germanier / ジャン・ルネ・ジェルマニエ

ワイン名:Petite Arvine / プティット・アルヴィン

葡萄品種:Petite Arvine / プティット・アルヴィン

ワインタイプ:白ワイン

生産国:スイス

生産地:Valais / ヴァレー州

インポーター:やまきゅういちスイスワイン

参考小売価格:\4,400

このコラムでは、私が粋(Iki==)と感じるワインを色々と紹介させていただきたいと思っております。

スイスのワイン、好きでたまに飲むのだが、美味しいのでもっと色々と飲んでみたい。白ワインの爽やかなのが多くて、これから段々と暖かくなってくるから尚更だ。しかし日本では選択肢の幅が少なくて、どこにでも置いているってものではないところが玉に瑕。あまり馴染みがないのはそんな理由で、前々回の藤巻のコラムで紹介させていただいたカナダのワインよろしく自国消費がほとんどで、輸出は僅か2%程度 (殆ど欧米)、それで経済が廻っているスイスのワイン産業では、わざわざ船で輸出とか、面倒な手続きなどせずとも、それなりに成り立っていることを考えれば、日本のようなファーイーストにまで届けようという考えには及ばないのかもしれない。

でも我々としては、ナイスなワインを飲んでしまうと、もう一度お目にかかりたくなる。 かなりいいスイスワインってあるし、有名な銘柄がいくつもあるのに、色んな理由で日本で容易に入手できないものが多い。そもそも手に入らないものを紹介しても意味がないのだが、今回ご紹介するジェルマニエは、スイスワインを牽引するような存在のワイナリーだが、なんと偶然にも日本にインポートされてるから嬉しくてたまらないし、紹介させていただかなければならない。

スイスのワイン産地は数カ所あるけど、フランスに隣接してるヴォー州とヴァレー州が知られてて、今回ご紹介のジェルマニエはヴァレー州のワイナリー。この産地がスイス最大のワイン産地で、全体の3分の1が生産されている。ブドウ畑は、フランスに続くローヌ渓谷沿いに 100 キロ以上にわたり標高約 700m の傾斜地に広がっており、ドウの成熟を促進する暖かい風フェーンがあり、晴天が多く年間降雨量が 600mmと乾燥していてブドウ栽培に適している。また、多様性に富んだ土壌により、幅広いブドウ品種から多種多様でユニークなワインが産み出される。

ジェルマニエでも様々なブドウ品種を植えている。とりわけ、スイスワインを語る上でまず最初に出てくる品種であり、スイスで最も絶賛される品種といえばシャスラだが、このジェルマニエでも当然造っている。それはそれはとても綺麗で豊かなワインなので、紹介したくてたまらないのだが、それはまた別の機会にさせていただくとして、今回是非紹介したいのは、ここが造るプティット・アルヴィンに尽きる。この生産者に限っては、 個人的にシャスラ以上にこのワインを推したいと思っている。

プティット・アルヴィン。シャスラほど知られてはいないが、これもまたスイスを代表するブドウ品種で、歴史を遡ると古く、しかもここヴァレー州でのみほぼ独占的に栽培され、他の国で栽培されている例が極めて少なく、わずかにイタリアやフランスの一部で少量栽培されているに過ぎないという、完全な固有のスイスのブドウ品種なのである。果皮が厚く、造り方によっては、エキスのあるたっぷりとした感じにつくることもでき、極辛口から甘口のワインまでもつくることができるブドウ品種。

ジェルマニエのこのワイン、若くして飲めば、心地よいピュアでのびやかな酸味が爽やか で、重くなくスムースで口溶けがよく、それほど癖がない。フレッシュなカリンやグレープフルーツ、白桃、メロンのような香りが複雑で、ハーブっぽさも加わって飽きないのがいい。少しだけ硬質的な風味は、ストーンフルーツを思わせるところからなのか、ワイン全体を引き締めてくれている印象のワイン。熟成させて楽しんでる人は、おそらくあまりいないと思うけど、熟成感とともにふくよかで、オリーブオイルのようなリッチさがでて、かなり興味深いものになる。

食卓のお伴に最適だといつも思う。家庭料理全般に悪くなく、軽い前菜やフレッシュ野菜のサラダに、ほどよい酸味のドレッシングでもいいし、出汁の効いた味わいの料理など幅広く合ってくれる。

試す価値ありのワイン、一度ご体験いただきたいです。

<ソムリエプロフィール>

藤巻 / Akira Fujimaki

1966 年、新潟生まれ。ワインバーを併設した東京 渋谷の東急百貨店本店<THE WINE> て、ソムリエ兼カヴィストとして勤務。大学在学中からワインに魅せられ、世界のワイン 産地を周遊。その後飲食店やワインバーでの勤務を経て現職。現在は、東急百貨店と並行 し、ワインスクール講師、レストランのワインリストの作成、従業員の教育などコンサル タント業や、ワインイベントの企画などの活動をしている。