スイス人の植物学博士ヘルマン・ミュラーが交配して創った品種ミュラー・トゥルガウが、満を持して、とうとう入荷しました。
品種名に冠された博士の生まれ故郷トゥルガウ州のThurgau トゥルガウAOC 、本家本元のミュラー・トゥルガウです。
また、ミュラー・トゥルガウ品種は、スイスにおいて、シャスラに次いで収量の多い白ブドウ品種という一面も持っています(シャスラに比して、格段に少なくはなりますが)。
スイスワインにとって、無くてはならないワインです。
ワイナリー:Schlossgut Bachtobel シュロシュグット・バシュトベル
生産年度:2022年産、内容量:750ml
ブドウ品種:ミュラー・トゥルガウ種100%
アルコール度数:12.0%
有機酸量:6.0g/l pH 3.26
残糖度数:3.0 g/L
ブドウ畑:畑のある丘陵地は、上層が礫(れき)岩と砂岩で形成された淡水砂地と、その下層の氷河堆積土壌で構成されている。土壌的には砂混じりの粘土質に分類される。石灰の含有量と化石部分は、ブルゴーニュ地方の土壌に非常によく似ている。
<ワイナリーによるワインコメント>
有機酸を消失させることなく搾汁されますが、収穫年と、また酸の様々な浸透により変化しうる自然の残糖感があります。
レモンや南方系のトロピカルフルーツのフレッシュな香りが支配的です。
低温発酵により、ミネラル感も加わりました。
瓶詰1年後くらいまでは、若干の微発泡を感じる場合もありますが、その頃からこの品種の典型的なおいしさを味わっていただけます。
<ワイナリーについて>
Schlossgut Bachtobel シュロスグット・バシュトベル
1784年創業の現在8代目の老舗ワイン生産者。ドイツとの国境近く、WeinfeldenヴェインフェルデンのOttenberg村の丘の中心地に6ha の畑を所有。
ワイナリー当主は、8代目当主ヨハン・メイエ氏です。
エレガントで生き生きと、はつらつとしたワイン、生産地の土壌や気候を反映し、熟成を楽しむことのできるワイン造りを目指している。除草剤、殺虫剤、化学肥料は一切使用していない。
<ミュラー・トゥルガウを交配して創ったHermann Muller(ヘルマン・ミュラー)について>
Wikipediaによれば、
スイスの植物学者、醸造学者、ブドウ育種家
と出てきます。
以下、このワインの生産者ワイナリーから直接聞いた話や、Wikipediaなどを参照し、まとめたものです。
1850年10月21日スイス、トゥルガウ州テーガーヴィレン生まれ。
1927年1月18日スイス、チューリッヒ州ヴェ―デンスヴィル没。
パン屋とワインメーカーの家庭に生まれ、長じて、チューリッヒ工科大学、ヌシャテル大学で自然科学を学び、のちにドイツのヴェルツブルグ大学で1874年、植物学の博士号を取得しました。
1876年~1890年、ガイゼンハイム(ドイツ)の植物生理学的実験所の所長を務める。そこで交配が完了した新品種(自分の名と生まれ故郷の名を冠し、ミュラー・トゥルガウとし)1882年に発表。その苗木150本をスイスに持ち帰り、スイスに広める。
1891年より、ヴェ―デンスヴィルにある果物栽培・ブドウ栽培園芸を行うドイツ・スイス実験場所長を務めました。
ミュラーは、ミュラー・トゥルガウ種をリースリングとシルヴァーナーの交配品種として育成しましたが、
のち、1998年以降のガイルヴァイラーホフのブドウ育種研究所での遺伝子分析により、
この品種は、リースリング(母)とマドレーヌ・ロワイヤル(父)の交配であることが判明しました。マドレーヌ・ロワイヤルは、シャスラ系の品種です。