スイス・ヴァレー州全体でわずかに29ヘクタールの耕作面積しかない白ブドウ品種ユマーニュ・ブランシュ100%の白ワインです。
ワイナリーにとっての初収穫は2012年でした。
ユマーニュ・ブランシュは、すでに1313年の文献で確認されているスイス・ヴァレー州のもっとも古いとブドウ品種のうちのひとつです。「産婦のワイン」という愛称で呼ばれ(他のブドウ品種のワインよりも鉄分が多く含まれていると考えられていたようだが、化学的な分析により、それは否定されました。)薬用の煎じ薬として先祖代々使用されてきた、この控えめでありがならも独創的なこのブドウ品種は、ワインを繊細でエレガントにする一方で、逆説的に、熟成に適する骨格のあるものにもしています。
※ユマーニュ・ブランシュは、ユマーニュ・ルージュとは、遺伝子的にも、交配由来的にも何の関係も無い品種です。
ブドウ畑:産地呼称Valais AOC の2000平方メートルの畑
醸造:100%小樽(バリック)醸造。ユマーニュ・ブランシュ品種の花のような優美さの面を保つためにマロラクティック発酵無し。
試飲メモ:銀色の反射光の上にほのかな黄色が覆う。ユリや、樹液を想起させるような繊細でフローラルな香り。白い花や、柑橘系の皮、ドライフルーツの印象のうえに、デリケートで、活き活きとした調和のとれたおいしさが広がる。冷涼でエレガントな余韻 。
合わせる料理:淡水魚料理、フレッシュなチーズ、熟成したミレジメには白い身の肉なども。
サービス適温:12度
保存:6年程度
アルコール度数:12. 6%
<ユマーニュ・ブランシュ(ユマーニュ、ユマーニュ・ブランとも呼ばれる)のブドウ品種について>
【概要】
スイスで最も古いブドウ品種の一つ。ユマーニュ・ルージュとは一切関係がない。
【主なシノニム(別名)】
Humagne Blanc(ユマーニュ・ブラン/ヴァレー州)
Miousat*、Miousap、Mioussat(フランス・ピレネー=アトランティック県)
*DNA鑑定による証明あり
【歴史・遺伝的起源】
ユマーニュは、レーズ(Rèze)と並び、スイス最古級のブドウ品種の一つで、ヴァレー地方固有の品種である。
1313年にヴァレー州で初めて文献に登場し、「アニヴィエ登録簿(Registre d’Anniviers)」と呼ばれる羊皮紙文書に記録されている。そこには、シエールとランスの間の畑で収穫された完熟ユマーニュとレーズのブドウに対し、貢納が課されていたことが記されている。
ユマーニュとレーズは、シャスラ(別名フェンダン)などの導入品種に取って代わられるまで、ヴァレー州で最も広く栽培されていた品種であった。しかし他品種の導入により栽培面積は大幅に減少し、20世紀にはほぼ絶滅状態にまで追い込まれた。
20世紀初頭になって初めて、ユマーニュ・ルージュ(ヴァレーでのコルナラン・ヴァルドタンの名称)と区別するために「ユマーニュ・ブラン」と呼ばれるようになった。両者に血縁関係はない。
DNA親子鑑定により、ユマーニュはオーバーヴァレーで希少品種ラフネッチャ(Lafnetscha)とヒンベルツシャ(Himberscha)を生み出したことが判明している。また、プロヴァンス地方のコロンボー(Colombaud)とも直接的な血縁関係が確認された。
南フランスとの関係は2007年まで驚きをもって受け止められていたが、同年フランスの研究者によるDNA分析により、ピレネー=アトランティック県で「ミウサ(Miousat)」の名で確認された。
その語源がギリシャ語に由来すると考えられること、また多くのアルプス品種との関連が見られないことから、ユマーニュは紀元前600年にギリシャ人船員によって建設されたマルセイユ地方から、ローヌ渓谷を遡って14世紀以前にヴァレーに導入された可能性が高いと考えられている。
【語源】
しばしば結び付けられる架空の「Vinum humanum」という語は実在しない。
より有力な語源説は、ギリシャ語の動詞「ὑλομαναέω(強い樹勢を持つ)」に由来するというもので、この品種の旺盛な生育特性を指しているとされる。この語がラテン語化され「hylomaneus」となり、その後フランス語化して「Humagne」になったと考えられている。
【スイスでの栽培面積】
29.0ヘクタール(ヴァレー州のみ)
2022年統計では、26.9ヘクタール(ヴァレー州のみ)スイス全ブドウ栽培面積比0.18%
【ワイン】
流行品種とは一線を画し、ユマーニュは収量が適切に抑えられている限り、その繊細さによって魅了する。
リンデン(菩提樹)の香りを伴う辛口で、ガストロノミー向きの優れたワインを生み出す。口当たりはエレガントで、熟成とともに樹脂のようなアロマが現れ、わずかにタンニンを感じさせる構造を備える。
ユマーニュはしばしば「産婦のワイン」と見なされてきた。というのも、他の品種より鉄分を多く含むと信じられていたからである。
しかしこの伝説は化学分析によって否定され、現在では、この飲み物の回復効果はワインに混ぜられていた薬草によるものだったと考えられている。
出典:José Vouillamoz «CÉPAGES SUISSES»













