ワインジャーナリスト・お客様の声
ワインジャーナリストさんに紹介していただきました。
プロ向けのワイン試飲会場にお越しいただき、弊社のスイスワインをお試し下さったワインジャーナリストさんに、ブログで取り上げていただきましたので、許可をいただき、こちらに転載させていただきます。
綿引まゆみさんのご経歴:「ワインジャーナリスト。ワイン専門誌「ワイナート」、徳間書店「&GP」、一般誌、ライフスタイル誌、料理誌等に執筆。「白ワイン推進委員会」主宰。」
ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ
先週の試飲会の中から、スイスワイン を取り上げたいと思います。
スイスワインは何度も紹介してきましたが、近年のスイスワインのクオリティが非常に高くなってきたのを感じます。
品質向上の理由は、世界市場においての生産者の意識が変わってきたことが大きいように思います。
以前のスイスワインは価格が高いなぁ、まあ、スイスは物価が高いので仕方ないけど、コスパ悪いよね・・・と思っていました。
特に、20年以上前のスイスワインは、よくいえば飾りっけがないけれど、粗野でザックリとし、品質にあまり気を遣っていないものが多かったような…?
それが、ワインのクオリティがメキメキ上がり、洗練され、価格と品質のバランスが取れてきました。
生産者の世代交代もあり、新しい世代は国外のワイン産地で学び、さまざまな知識、情報、技術を身に付けていることも大きいと思います。
市場が求めるワインがわかり、昔のままでは成長できない、と悟ったのではないでしょうか。
今のスイスワインを飲むと、ピュア、洗練、凝縮、軽快、ジューシーさ、などなど、モダンでスタイリッシュな側面を感じます。
もちろん、伝統、熟成のうまみ、安定感、といったものも健在です。
スイスワインをスイスワインたらしめているのは、スイス伝統のブドウ品種です。
スイスには個性的な地場ブドウ品種からつくられる、ほかにないワインがあります。
そうした地場ブドウ品種のワインを探すのも楽しいものです。
ということで、試飲会場で、私のオススメをいくつかピックアップしたいと思います。
スイスワイン選びのポイントは4点で、
1)シャスラ、2)ピノ・ノワール、3)白ワイン仕立てのメルロ、4)地場品種
まずは、シャスラというブドウ品種です。
ワインは白になり、泡のないスティルワインがほとんどですが、スパークリングワインもあります。
画像左端がシャスラ100%のスパークリングワイン「Blanc de Blanc NV
Artisans Vignrons Yvorne」
税別参考小売価格が4,300円。
シャスラ100%のスパークリングはスイスらしいですし、同価格帯の無難なシャンパーニュを買うよりは、ずっとワクワクするのでは?
その右隣2つはシャスラ100%のスティルワインで、造り手は同じDomaine Henri Cruchonですが、ベーシックシャスラが3,200円(税別、以下同様)、グランクリュのノンフィルターシャスラが4,000円。
この価格帯のワインは競争相手がたくさんありますが、白ワイン好き、エレガント系が好きな人なら、スイスのシャスラの選択は大いにあり。
生産地域による違い、AOCによる違いもありますので、ひとくちにシャスラといっても、さまざまです。
右端の「S」のラベルはピノ・ノワール100%の赤ワイン「Servagnin Grand Cru 2018 Domaine Henri Cruchon」。5,300円。
スイスのピノ・ノワールは、メキメキと品質が上がっています。
ピノ・ノワールはお好きな方が多いと思いますが、大本命の仏ブルゴーニュや、カルトワインが多いアメリカをあえて外し、スイスを選ぶのも、これからは当たり前になってくるかも?
こちらの画像の右のピノ・ノワール100%の赤ワインもオススメです。
顔が描かれたラベルが印象的で、造り手はDomaine Chappaz(AOC Valais)
「Grain Pinot Les Essert 2018」7,200円。
その左のワインは同じ造り手の「Fendant la Liaudisaz
2019」で、シャスラ100%の白ワイン。5,200円。
Fendant(ファンダン)はシャスラの別称。
この造り手ドメーヌ・シャパは、価格が他よりやや高めですが、総合的な満足度から考えると、この選択もありだと思えてきます。
右端は、メルロ90%+ソーヴィニヨン10%の白ワイン「Bianca Maria 2019」
スイス南部、イタリア語圏のティチーノ州では黒ブドウのメルロを白ワイン仕立てにすることが多く、これはブレンドですが、メルロ100%の白ワインをよく見ます。
Bianca Mariaの造り手はTenuta Castello di Morcoteで、原産地名称はIGT
Svizzera Italiana。4,000円。
黒ブドウを白ワインに仕立てるのは、フランスのシャンパーニュがよく知られていますよね。
黒ブドウを白のスティルワイン仕立てにする生産者も世界の各地にいて、新規参入もあり、このスタイルは人気があります。
そして、地場品種。
左はアミーニュ100%の白ワイン「Amigne Grand Cru BIO 2019」4,900円
右はユマーニュ・ルージュ100%の赤ワイン「Humagne Rouge 2018」3,800円
どちらのワインもAOC Valaisです。
白品種のアミーニュはヴァレー州の希少品種で、固くリッチで、芳香豊かなワインに、
黒品種のユマーニュ・ルージュは晩熟で、野性的でユニークな芳香が特徴で、樽熟成に向くタイプのようです。
ユマーニュにはブランもあり、ブランの方が希少みたいです。
いずれにしても、どちらの品種もヴァレー州独自なので、色々な地場品種のワインを飲んでみたい人にはうってつけのワインだと思います。
価格も、比較的手にしやすい範囲ではないでしょうか?
上述したように、スイスワインは近年、品質をグングン上げてきています。
以前は少し高いかな、というのが正直なところでしたが、今、品質と価格のバランスがちょうどよく取れてきたところだと思います。
スイスという冷涼な土地柄、ピュアでフレッシュ、エレガントな、洗練されたスタイルのワインも多く、3000~5000円くらいでワインを探す時に、スイスを候補に入れるのは現実的です。
グランメゾンのテーブルに並べられる品格もあります。
ワインの銘醸地はたくさんありますが、スイスのような産地を知っていると、ワイン選びがますます楽しくなってきます。
今回紹介したスイスワインの輸入元は、杉山商事。
「やまきゅういちスイスワイン」で直販サイトがあります
- 2022.02.19
- 13:22
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